コンサルファーム出身フリーコンサルタントの収入事情

最近フリーコンサルタントという働き方をする方々が周りでも増えてきました。

フリーのコンサルタントというと如何わしいイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、元々戦略コンサル(マッキンゼー、BCG、べイン 等)や、ITコンサル(アクセンチュア、アビーム 等)でご活躍された後に、その知見を活かしてコンサルティング業務をおこなうといったイメージです。

 

案件も、中小企業やベンチャー企業をサポートするというよりかは、大手企業が推進するプロジェクトを一時的に支援するといった、通常コンサルティングファームが引き受けているような業務を個人として担うというものが多いです。

 

今回は、このようなフリーコンサルというキャリアに関する実態について、周りの方々へのヒアリングも踏まえてご紹介してみたいと思います。

 

どうして、元コンサル会社出身のフリーコンサルタントが増えてきているのか?

現状元コンサル出身のフリーコンサルタントが増えてきている理由は大きく3つあると思います。

 

  1. 大手企業がコンサルタントの使い方に慣れてきた
  2. コンサルティングファームが急成長したことで元コンサルタントも拡大した
  3. フリーコンサルタントを紹介する仲介サービスも普及してきた

 

この中でも、特に①の点は個人的には大きいと思っており、大手企業の中には、大手コンサルティングファームのサービスを長年使う中で、どのような指示をすれば、どのようなアウトプットが期待できるのかということをかなり学習してきたかと思います。


そうすると、全てのプロジェクトについて、大手ファームに依頼するのではなく、一部のプロジェクトについては費用対効果も含めて、個人のフリーコンサルタントに任せても十分成果を出すことができるということが生まれてきたのだと思います。

 

③についても、別の記事でもフリーコンサルタント仲介会社の比較を紹介していますが、市場が広がる中で、各社しのぎを削りあって、サービスが改善していくという好循環に入っている印象を受けます。

 

フリーコンサルタントの年収、忙しさはどの程度か?

今回は、大手戦略系コンサルファームを3年前に退職し、現在フリーコンサルタントとして活躍しているAさんの事例を紹介したいと思います。

 

Aさんは、元々中途で大手戦略系コンサルファームに入社後、約5年間にわたって、小売や製造業、ヘルスケア業界を中心にご活躍された後、起業を考えて3年前に退職されました。

 

当初創業資金を獲得するためにもフリーのコンサルタントとして、紹介サイトの「ハイパフォコンサル」を通じて3ヶ月ほどのプロジェクトを不定期で続けていたのですが、本業がなかなかうまく行かず、現在ではほぼフリーコンサル中心で生計を立てていらっしゃるとのことです。

 

現在は、「医療機器の売上拡大に向けたマーケティング戦略支援」というプロジェクトに携わっており、6ヶ月間のプロジェクト契約で、月収は120万円。

毎日9時から18時をめどに働いており、週に3日はクライアントのオフィスの会議室で一緒に業務、残りの2日は自宅やカフェで作業を行っているということで、コンサルティングファーム時代に比べると、かなりワークライフバランスが充実しているとのことです。

 

勿論、コンサルティングファーム時代に比べると、夏休みなどの休暇制度や、保険料金の支払いなどもあり、単純に給料比較をすることは難しいですが、2017年のフリーコンサルタントとしての収入は、1200万円程度ということでした。

 

コンサルタント時代に比べると、ボーナスなどを含めると手取りでは、減少したものの、十分満足できる水準ではあるようです。

 

最後に

今回フリーコンサルタントAさんのお話を伺った中で、個人的に、特に印象に残ったのは、「フリーのコンサルタントとして働くようになったことで、圧倒的に効率的に働けるようになった」ということです。

「コンサルティングファーム時代は、クライアントだけでなく、社内でも様々な意見が対立することがあり、それらの意見を調整することにかなりの労力と時間を費やしていたが、現在は、自分が良いと思えば、それで進む。その分責任やプレッシャーを感じることも高まったが、もしろ、それらが良い刺激になっている。」

 

確かにおっしゃる通りだと少し羨ましく思うと同時に、逆にコンサルティングファームに所属している私達は、チームとして様々な視点をぶつけ合いより良い提案をできるようにしなければ、いけないなと改めて考えさせられました。