世界を代表する戦略コンサルティングファームの二台巨頭のマッキンゼーとBCG。
戦略コンサルへの転職を考えている方であれば、どちらに転職するべきかを考えることも多いと思います。
今回は両方の日本支社を中心に、主な強みと弱みについて現役コンサルタントの声も踏まえて、ご紹介してみたいと思います。
マッキンゼーはここが強くてここが弱い
【強み】
ワンファームとしてのグローバルでの知見
マッキンゼーは世界最大のコンサルティングファームであり、コンサルティングスタッフの数はグローバルで14,000人を上回ります。高い知名度もあり、世界中の大手企業とプロジェクトを行い、そこで得た知識をグローバルのナレッジプラットフォームとして、定型化、共有する仕組みが整っていることが特徴です。
また、日本オフィスでも、社内の公用語は英語、かつマネージャークラスも海外の人材が多く、プロジェクト(スタディー)においても、海外のメンバーと共同チームとして働くこともあります。
一発逆転のホームランを狙った提案にも強み
エスタブリッシュというカルチャーが非常に強いこともあり、オープンに、自分の意見を言える人たちが多く、誰かの言うことをそのまま聞いて作業をするというタイプではなく、自分達が本当に面白いと思える提案をクライアントに対してもぶつけるため、当初の想定を大きく上回る提案をすることもあります。
日本の景気に左右されない雇用状況
グローバルでの連携が極めて強いため、たとえ国内の景気が悪くなったとしても、海外のプロジェクトを担当するなどをすることで、雇用を維持することが可能。外資系特有のアップオワアウトでの退職はあるが、外部要因による退職が少ないことは、メリットといえます。
【弱み】
圧倒的に高いフィー
後述するBCGと比べても圧倒的に高いコンサルティングフィーを求める。そのため、大手企業が開催するコンペなどで横比較をされてしまうと、勝てないプロジェクトも多数存在している。
クライアントの種類もプロジェクトのテーマも、そのフィーを支払える、十分ROIを感じられるもの(例えば、大規模なコスト削減プロジェクトなど)に限定されるというデメリットも存在します。
国内企業とのリレーションの弱さ
圧倒的に高いフィーとも関連するが、マネジャークラスに外国人も多いため、国内企業とは深いリレーションを築けていないところも多い。
日本企業特有の空気を読むというカルチャーに対しても、遠慮なくプロとして正論をぶつけるスタッフもおり、クライアントとのリレーション構築が現場レベルでもぎくしゃくしてしまうことが稀にあるという話も伺います。
BCGはここが強くてここが弱い
【強み】
国内最大の戦略コンサルティングファーム
BCGは、日本市場には最も古く参入した外資系コンサルティングファームであり、日本市場においては、過去5年間で1,000以上のプロジェクトを担当している最大手。
日本企業文化も踏まえた上で、粘り強くテーラーメイドの提案を行うことを強みとし、多くの国内企業と深いリレーションを保有しています。
地道に手堅くヒットを量産出来る強み
マッキンゼーとは対照的に、真面目なコンサルティングスタッフが多いという印象が強いBCG。
提案内容も、しっかりとクライアントの要望を踏まえた上で、漏らすことなく、確実に打ち返すことが多いです。
幅広い業界やテーマをできる
国内最大規模のコンサルティングファームということで、担当するプロジェクトの幅も必然的に広がります。また、国内に関して言うと、それらの幅広いプロジェクトを経験することで、ナレッジが更に溜まるために、強みがより強化されるという好循環も生じやすいです。
【弱み】
スタッフの拡大によるバラつき
国内最大規模の戦略コンサルティングファームとなったことで、スタッフの数も他のファーム以上になっています。その結果、人材のスキルのばらつきも増えつつあり、プロジェクトとしては十分な価値をだしつつも、担当者レベルで見てしまうと、物足りなく感じることも生じているようです。
グローバルでの活躍機会の少なさ
マッキンゼーと比べると、グローバルでの活躍機会は少ないです。日本人のスタッフのみで行うプロジェクトの数も多く、英語を使わなくても運営できるプロジェクトもあるようです。制度としては、海外への移転制度も用意されているものの、実際に活用する人材の数も多くはありません。
結論:マッキンゼー、BCGに向いている人のタイプ
最後に、マッキンゼー、BCGの強み、弱みも踏まえた上で、それぞれの企業に適した人のタイプを多少強引ですが紹介して終わりたいと思います。
マッキンゼーに向いている人
- グローバル志向が強い
- エリート志向が強い
- ヒットを積み重ねるよりも、ホームランを狙いたい
BCGに向いている人
- 日本企業や日本を良くしたいという思いが強い
- 泥臭くて真面目に頑張るタイプ
- 一か八かではなく、確実に成果を残したい