コンサルティングファームにおけるアクセンチュアの評価

「コンサルティングファームってたくさんあるけど、どのような違いがあるのか、未経験だと分かりにくい」という声は、コンサルティングファームの情報がこれだけ普及してきた今でも変わらず伺います。

そこで、今回は、数あるコンサルティングファームの中でも、知名度・規模共に大きいアクセンチュアについて、他の戦略系ファーム等と比較した際に、どのような特徴があるのか、年収はどうなのか、どのような方にとってお勧めなのかなど、ご紹介していきたいと思います。

 

右肩上がりの成長を続けるアクセンチュア

まずアクセンチュアの特徴の一つとして、世界的なコンサルティングファームとしては珍しく株式上場しているという点が挙げられます。

 

2001年にニューヨーク証券取引所に上場しているのですが、実は、上場以来、株価は右肩成長を実現しています。2008年のリーマンショックなどのイベントもある中で、このような成長を実現できていることは自らの経営コンサルティング力に対する非常に積極的な材料であることは間違いないでしょう。

(アクセンチュアの株価推移)

 

IT・デジタルを強みにした幅広いコンサルティングサービス

アクセンチュアは、ストラテジー、オペレーションズ、コンサルティング、テクノロジー、デジタルの5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供しています。

 

そしてこ、お分かりの通り、他のファームとの違いで言えば、IT・デジタル領域に対する圧倒的な強みです。

特に変化のスピードの早い近年は、事前に考えて戦略を立てるというだけでなく、テクノロジードリブンでプロダクトを作ったうえで、改善を進めイノベーションを起こすというアプローチがかなり浸透してきつつあります。

 

また、これらのデジタルサービスにおいては、経験曲線の効果も大きく、ビックデータなどにおいては、いかに多くのデータを、いかにすばやく手に入れられるかという点が大切になってきており、システムまでを一貫してサポートしてるアクセンチュアだからこそ高いコンサルティングサービスを提供できているという例は数多く存在しています。

 

拡大するBPO市場におけるアクセンチュアの強み

また、アクセンチュアの他の強みとしてBPO市場における経験があります。

グローバル×ITの強みを活かし、アクセンチュアは20年以上前からBPOサービスを提供しています。現在では、機能別(財務、人事、調達 など)に加えて、業界別(航空業界、医療業界、製造業界 など)の商品パッケージも提供し、コスト・品質ともに非常に優れたサービスで有名です。

結果として、アクセンチュアが1年間に調達BPOの領域で取り扱う金額は3.8兆円、財務・経理BPOサービスを提供している国は150カ国、37言語と非常に大きな規模まで成長しているのです。

 

IDC Japan株式会社によると、2022年に向けて国内のBPO市場は年率3.6%の成長で、8679億円にまで拡大するとの予測も発表されています。
市場の成長を牽引する要因としては、アクセンチュアが強みを発揮しやすい、音声認識技術、コグニティブ/AIシステム、自動化などの活用が進み、業務内容が大きく変化していることが想定されており、今後この領域におて、アクセンチュアがますます影響力を強めていく可能性は高いです。



年収はそこそこだが、転職後の価値は高い

アクセンチュアの年収は、アナリストだと500万円程度、マネージャー職になっても1,200万円程度ということで、マッキンゼーやボスコンなどの外資系の戦略ファームと比べると低いのが事実です。

しかしながら、アクセンチュアに勤める中で、IT・デジタル領域での知見は、プロジェクトの特性や、周りのチームメンバーの能力、教育システムなどの結果、戦略ファームに勤める以上に磨かれることとなります。

そして、そのことが、デジタルに対する事業会社のニーズが高まる現代においては、幅広いネクストキャリアステップを提供してくれることになるのです。

 

実際に事業を推進していく上では、純粋な戦略コンサルティングファーム出身者よりも、システムの具体を理解できている、アクセンチュア出身者を優遇するケースも多く存在します。

 

また、アクセンチュア退職後に、システムの知識も活かして、起業をすることで、更にご自身の市場価値を高める方も多くいらっしゃります。起業自体で成功すればベストですが、起業経験自体が、その後のキャリアに大きくプラスに働いていることも多いです。

 


第二新卒や未経験者にとってのファーストステップとしてお勧め

アクセンチュアというと、外資系の戦略ファームと比べると、少し劣ったイメージを持たれる方も多いかと思いますが、現実的にはそんなに単純な話ではありません。

特に、第二新卒や未経験者にとっては、まずはアクセンチュアへの転職をし、その後更にコンサルタントとしてキャリアを深めたいといった場合は、そのタイミングで他の外資系戦略ファームに転職するというステップも存在します。

もし、コンサルティングファームへの転職を考えていらっしゃるのであれば、是非アクセンチュアについても、最初から候補から外すのではなく、選んでみることもお勧めします。