知られざる外資コンサル(マッキンゼーやBCGなど)の評価制度

今回は、マッキンゼーやBCGなどの外資コンサルティングファームの評価制度についてご紹介したいと思います。「Up or Out」という言葉に代表されるように、評価は給料や昇進だけでなく、退職するかどうかを決める大切な要素にもなっておりますので、各社しっかりとしたルールを設けております。

 

特徴1:プロジェクト単位での評価

まず、コンサルティングファームの場合は、通常の会社と異なり、数ヶ月単位でプロジェクトが変わることが一般的です。プロジェクトが変われば、一緒に働く上司やチームメンバーも異なります。

 

そのため、プロジェクトが終わるごとに、個人の評価は付けられることになります。

一般的な企業では、同じ上司から継続的に評価をもらうことが当然でしょうが、コンサルティングファームでは、様々な上司から評価を受けることになります。

 

特徴2:数週間ごとにあるフィードバック

プロジェクト単位での評価になると、例えば1ヶ月のプロジェクトに6回配属された方は、6回評価を受けることになる一方で、半年のプロジェクトを担当した方は1回しか評価を受けることができないという差が生まれてしまいます。

 

このような違いをなくすために、2週間に一度程度は、プロジェクトを担当している責任者からフィードバックを受ける機会があることが一般的です。昇進できるかどうかということが非常に大切であるため、残りの期間が少なくなったタイミングで急に課題を説明されるのではなく、常日頃から自分の弱みや挑戦すべき内容を教えてもらえることで、成長のスピードも高めることができます。

 

特徴3:メンターの存在

プロジェクトごとの評価になってしまうと、個人のキャリアを通して評価することが難しくなるという弊害も存在します。そのため、プロジェクトを超えて個人の評価を継続してモニタリングするメンターという方も存在するケースもございます。

 

一つのプロジェクトの中だけでは、コンサルタントとして必要なスキルを全て学ぶことは難しいですが、このようなメンターと相談することで、複数のプロジェクトを通して、総合的な力を身につけることが可能になるのです。

 

特徴4:グローバルで統一された評価項目

マッキンゼーやBCG、ベインなどのグローバルカンパニーでは、評価基準は世界で共通です。

コンサルタントとして必要なスキルを、ポジションごとに分解した上で、定量的に評価できるフォーマットを用意しています。

 

例えばベインの場合は、「顧客企業に対する付加価値」「顧客企業とのリレーションシップ」「チームへの貢献」という3つの塊ごとに、グローバル共通の基準に従って、個人の経験、スキル、実績を評価しています。

 

特徴5:360度評価が基本

コンサルティングファームでは、360度評価が当り前のように採用されています。入社1年目の社員であっても、担当するプロジェクトの責任者に対して、正式な評価をすることが求められます。

 

この部下からの評価は形式的なものではなく、一定以上の役職になると、昇進の基準として、部下からの評価が基準値を超えているかどうかが、求められ、どんなに優秀であっても、しっかりとチームとして働くことができなければ、昇進できないということになります。

 

最後に:コンサルタントは評価の仕組みは公正であるからこそ、厳しく感じることもある

コンサルティングファームは、コンサルタントの力量が仕事に直結するため、評価制度は極めて厳密に作られています。

そのため、時には、厳しい現実を突きつけられてしまうことも存在します。

曖昧な評価をオブラートに包むのではなく、何が必要かを明確に伝えられることは、意外と慣れていない方も多く、ショックを受ける方もしばしばいらっしゃります。

 

コンサルタントとして成長していくためには、それらを穿った見方で捉えるのではなく、できるだけ素直に受け止めつつ、どのように改善していけるかというポイントが非常に大切になってくると思っています。