コンサルティングファームの役職でぶつかる壁と乗り越え方

コンサルティングファームへの転職後、本当に自分は活躍できるのかという不安は多くの方が共通して持たれています。但し、それらの不安の中には、杞憂に終わる悩みであったり、乗り越えていくことができるものも多くあります。

 

今回は、実際にコンサルタントとして働く中でぶつかる「リアルな悩み」と「乗り越え方」にフォーカスしてお話しすることで、あなたが今現在抱えている不安が本当に悩むべきなのかどうかを考える参考に役立ててもらえればと思います。

 

コンサルタントのよくある悩みと乗り越え方

①クライアントやプロジェクトメンバーが言っていることが分からない

入社直後のコンサルタントが最初にぶつかる悩みです。この時点で、自分はコンサルタントに向いていなかったのではと真剣に思ってしまう方も1割ほどはいる気がします。

 

乗り越え方

 

この悩みは複数の原因が重なることで起こっています。一つ目は言葉自体を知らないこと。二つ目は文脈を正しく理解できていないこと。三つ目は話している相手が省略しすぎているということです。クライアントやプロジェクトメンバーは、限られた時間の中で効率的に(楽をして)話そうとしてしまうので、このような問題が発生するのです。

一つ目と二つ目については、プロジェクトが進む中で、自然と解決されますので安心してください。三つ目については、確認する癖をつけてください。当たり前のことを確認するのは気が引けると思うことは全くありません。相手がきちんと説明できていないことが問題なのですし、そのような質問をされることは、少なくともプロジェクトメンバーは全員がなれています。また、分からなくて仕事ができないことの方がチームにも迷惑をかけてしまいます。

 

②言われた仕事が時間通りに終わらない

「上司から、夕方までこれやっておいてと言われたのに、全く終わらない」という現象は、新米コンサルタントにはよくあります。2度、3度続くうちに、なんで他の人はできるのに自分はできないのかと悩んでしまいます。

 

乗り越え方

 

仮に引き受けた仕事が、自分にとって初めての場合は、「できます」や「大丈夫です」ではなく、「初めてなのですが、どのように進めればよいですか?」という風にやり方を必ず聞くようにしてください。
コンサルティングファームでは、効率的な働き方が強く求められる環境であるため、そのように聞けば、十中八九やり方を教えてくれるはずです。聞くことが、チームにとっても、あなたにとってもよい結果を導いてくれるのです。

 

もし、過去に何度かやったことがある仕事である場合は、「このように進めればよいですか?」という風に自分のやり方を確認してください。このときできるだけ具体に確認することが大切です。

 

例えば、情報を調べるのであれば、どういったソース(雑誌やサイトなど)を、どのように調べるのかの考え方まで、その場で提示する癖をつけてください。多くの上司は、仕事を任せるタイミングでそれらのイメージを持っていることが多いので、このような質問をしても問題なく答えてくれます。(若いコンサルタントに任せる仕事は、上司自身が悩まなくてもできると考えているものを任せることが一般的だからです)

 

③言われた通りにやったのに、違うと言われる

「上司から『とりあえず競合企業の状況について調べておいて』といわれて、競合企業5社の最新の取り組みや財務状況を調査したのに、こんなのいらないといわれてしまう」というような現象は、一通りコンサルティングスキルも身につけ、上司からの信頼も増しつつある入社3年目あたりで起こる悩みです。


あなたがやれと言ったから作業をしたのにと怒りが湧き上がることも多いです。

 

乗り越え方

 

コンサルタントとしてのスキルが身についてきたら、仕事を請ける際には、常に「目的」と「何を伝えたいか」を確認するようにしてください。

信頼できる部下になればなるほどに、上司は楽をする、サボろうとしてしまいます。そのため指示が不明瞭になっていることが比較的多く、結果違ったアウトプットを作ってしまうという悲劇がまま起こります。

 

(参考)マネージャーの良くある悩み

コンサルタントへの転職を考えていらっしゃる方にすぐには関係ないことかも知れませんが、上司がどのような悩みを持っているのか、将来的に自分がどのような悩みを持つようになるかは参考にはなると思うので、こちらについても少し紹介したいと思います。

 

  • 次の案件も獲得したい中で、クライアントから次々とくる要望にどこまで応えるか
  • クライアントの幹部も現場も成果を出す上では、両方が大切な中で、どこまでを自分の時間を作って堅いリレーションを作るべきか
  • これまで養ってこなかった営業スキルをどのように獲得するか
  • 自分が持たない専門スキルを持ったコンサルタントをどのように育てるか
  • 優秀なコンサルタントが多い中で、自分は何をするべきか など

 

他にもいろいろ悩みはあります。

ただ、このようにコンサルタントとは、マネージャーになっても全く質の違う課題を抱え続ける職業であり、その分成長の余地も大きい職業であるといえます。

そして、これらの悩みを超えた先には、より大きな社会的にインパクトのある仕事をこなすことができるようにもなると思います。