外資コンサルは、働く期間が短いことで有名です。私が所属するファームもそうですが、平均的な在籍期間は3~5年程度になると思います。
このように退職することが一般的な外資コンサルですが、実際に退職する方の動機は様々です。
今回は、気になる退職理由について、何名かの実体験も踏まえつつ、ポジティブな理由、ネガティブな理由双方をご紹介していきたいと思います。
ポジティブな退職理由
ポジティブな退職理由には、大きく3つあります。
① コンサルタント時代よりも高い給料の専門業種に転進
② 上場企業の役員やスタートアップの幹部に転進
③ 自分自身が本当にチャレンジしてみたいフィールドに挑戦
一つずつ解説します
①コンサルタント時代よりも高い給料の専門業種に転進
コンサルタントとして習得したスキルを使って、PEファンドに転職する方が典型例です。国内市場においてもPFファンドの影響力は拡大の一途を辿っており、プロの経営者がますます求められるようになっています。投資先のバリューアップに対して、コンサル経験者が出せる付加価値は大きく、活躍の機会は確実に広がっています。
給料水準としても、人によってはコンサル時代の2倍近くの給料が獲得できることもあり、忙しさは変わらないものの、非常に魅力的な仕事といえます。
②上場企業の役員やスタートアップの幹部に転進
コンサルタントに転職する方のなかには、通常のキャリアパスでは大企業では昇進までにかなりの時間を要してしまうところを、コンサルを経る事でいっきに幹部にまで昇進するということを目標に考えていらっしゃるかたが意外と多くいらっしゃいます。
また、最近はスタートアップの上場もかなり一般的になり、遣り甲斐やキャピタルゲインを目的に、スタートアップの主要ポジションに転職する方も増えつつあります。
③ 自分自身が本当にチャレンジしてみたいフィールドに挑戦
最後に、数は少ないですが、金銭面や社会的な地位とは関係なく、自分が本当にやりたいことを始めるという方もいらっしゃいます。
コンサル時代に身に着けたスキルや人脈、また一定の貯蓄もあることから、NPOの立ち上げなどを0から立ち上げていらっしゃります。私の友人にも何名かおりますが、定期的にお会いするときに、苦労はしながらも、最も充実した話を伺えるのはこのタイプの方々です。
ネガティブな退職理由
ネガティブな退職理由も同様に、大きく3つあります。
①コンサルタントの仕事がそもそも合わずに退職
②家族の理解を得られずに退職
③コンサルタントとして活躍することの意味を見つけられずに退職
こちらも解説します
①コンサルタントの仕事がそもそも合わずに退職
コンサルタントという仕事は、やはり特殊な仕事です。クライアントのニーズを正しく理解した上で、非常に限られた時間の中で効率的にアウトプットを出していくという働き方は、聞こえは良いかもしれませんが、実際にやってみると馴染まないと感じる方も多くいるのが事実です。
コンサルタント以外の働き方をすることで社会に付加価値を出されていらっしゃる方は沢山おりますし、結局は自分がやり易いと思う働き方を続けることが一番大切だと思いますので、1年頑張ってみて会わないのであれば、別の機会を探すことの方が幸せだと思います。
ただし、その場合でも自分と違う働き方、見方があるということを知れること事態は、その方の人生にとって大きくプラスになると思っています。
②家族の理解を得られずに退職
意外と多いのは、この理由です。平日の深夜や休日を含めて働くことがある職業であるため、特にお子さんがいらっしゃる過程の場合は、奥さんからの理解が得られずに辞めてしまわれる方は多くおります。
コンサルティングファームとしても、家族の理解を得てもらうために、家族を招いてのイベントを企画するなどの取り組みをやっているようですが、まだまだ効果は大きくないようです。
これから転職を考えていらっしゃる方の場合は、事前にご家族の声も聞いたうえで、検討してみることが良いかもしれません。
③コンサルタントとして活躍することの意味を見つけられずに退職
最も多い退職理由はこれです。一般的な会社と比べて、長時間労働、予定をあわせにくいというデメリットがある中で、3年、5年、10年と働き続け、金銭面でもゆとりが出てくるようになると、「何のためにこんなに頑張っているんだろう」と思う機会が少なくとも1度は訪れます。
その時に、自分に対してうそをつくことなく、答えられるかどうかで、次の3年、5年、10年をコンサルタントとして歩むかどうかが決まります。
最後に:こんな人はコンサルタントにお勧め
- 中長期的なキャリアの中で、ビジネス全般の基礎スキルを高めたい
- 将来的に上場企業やスタートアップで重要なポジションを担いたい
- 今は明確にやりたいことがわからないが、一度きりの人生思いっきり頑張りたい
- 仕事に対して自分が熱中することに、家族の理解がある
- コンサルタントとして活躍することに明確な理由がある