外資系コンサルは特定スキルの成長スピードは高いが伸びにくいスキルもある

マッキンゼーやBCG、アクセンチュアなどの外資コンサル企業では、一般の企業であれば10年かかる成長を3年間で達成できるという話を耳にします。

 

成長スピードが速い理由として、単純に働く時間自体も1.5倍近くになることもあるのですが、それだけではなく、「質」の面でも成長を加速させる要素は沢山ふくまれています。

 

今回は、外資コンサルで「なぜ成長のスピードが早いのか」「具体的にどのようなスキルが伸びやすいのか」「逆に伸びにくいスキルはあるのか」といったテーマについて、お話していきたいと思います。

 

外資コンサルでは「何故成長のスピードが早いのか」

①切り口を変えた反復練習

同じ本を何回読んでも中々理解が進まなかったのに、同様のテーマについて書かれた本を複数読むことで、急に理解できるようになった経験はありませんか?

外資コンサルでは、1~3ヶ月ほどの期間ごとにプロジェクトが変わることが一般的です。そうした中で、入社してすぐの若手は、ベーシックなコンサルスキルである、市場規模調査や、競合ベンチマーク、財務分析や、ユーザーアンケート、エキスパートインタビューなどの定型的なタスクを、様々な業界で繰り返して行うことになります。

単純に同じタスクを繰り返すわけではなく、業界やテーマが異なっている中で、同様のスキルを繰り返し行うことで、単にやり方を暗記するのではなく、自分で使いこなせるレベルで習得しやすくなることがポイントです。

 

②短期間での幅広い業務経験

外資コンサルでは、短期間でプロジェクトの成果を出すために、お金に糸目をつけずに、ユーザーアンケートやエキスパートインタビュー、最近ではサービスのプロトタイプ制作などを外部の調査機関も活用しながら、積極的に行います。

また、外資コンサルティングファームのクライアントは、企業の役員や管理職の方が中心であり、一般の事業会社であれば、20代~30代前半の方にとっては自分が所属する部門でなければ、普段なかなか議論をする機会もないと思います。

コンサルティングファームでは、若いうちからこれらの多様な経験を積むことができるため、成長のスピードが速くなりやすいです。

 

③効率的なフィードバック

最後に、受験勉強などでも復習が大切なのと同様に、ビジネススキルを学ぶ上でも、やりっぱなしではなく、振り返ることが大切です。ただ、多くの方にとって、仕事の内容を振り返るということは時間的にも、技術的にも難しいのも事実です。

一方で、マッキンゼーやBCG、アクセンチュアなどの外資コンサルでは、プロジェクトの責任者から、定期的に仕事の内容についてフィードバックを貰う機会があるため、いやがおうにも振り返ざるをえなくなります。

しかも、フィードバックの方法も、単純に良かった、悪かったというアバウトな内容ではなく、原因や解決に向けた方向性まで含めてしっかりとコンサルしてくれる上司が多くいることもポイントです。

 

外資コンサルでは「具体的にどのようなスキルが伸びやすいのか」

①リサーチスキル

若手コンサルタントが最も伸びやすいのはリサーチスキルです。アンケートやインタビュー、レポートを活用した調査など、幅広い情報ソースを組み合わせて、短期間でファクトを押さえるスキルは、多くのコンサルタントが1年ほどで身につけられるようになります。

 

②資料作成スキル

次に資料作成スキルも、比較的若いうちから伸びやすいです。いくつかの型を覚えつつ、分かりやすくシンプルな資料や、論理的で整合性のとれた資料を短時間で作れるようになります。

 

③プレゼンテーションスキル

1対1での説明から、多人数との会議まで、情報を分かりやすく伝えるプレゼンテーションのスキルも、ミーティングの機会が多いコンサルティングファームでは、伸びやすいスキルの一つです。いくら良い資料をつくっても、相手に納得してもらわなければ全く意味はないので、3年目あたりのコンサルタントになれば、徹底的に鍛えられるようになります。

 

④プロジェクトマネジメントスキル

最後に、プロジェクトマネジメントスキルです。通常数ヶ月かかる仕事を1ヶ月で、しかも数名の限られたメンバーでこなすためには、緻密な計画設計の能力が求められます。コンサルティングファームで5年目を越えたあたりから、チームのリーダーとして活躍する機会も増えてくることが、外資コンサルでは一般的ですので、6~7年ほど在籍していれば、適切なプロジェクトマネジメントスキルを身につけられるようになります。

 

外資コンサルでは「逆に伸びにくいスキルはあるのか」

残念ながら、コンサルティングファームとは特殊な仕事であり、学びにくいスキルがあることも確かです。

 

例えば、一般的な事業会社であれば、「なかなか仕事にやる気を持たない社員」をどのようにマネジメントして結果を出すのかといったことは、管理職にとって大きな悩みの種になることが多いですが、コンサルティングファームではこのような経験をする機会はほとんどなく、対応する能力も限定的です。

 

実際、事業会社に移った元コンサルタントの中には、結局すべて自分で仕事を引き取ってしまい、長時間労働が続いている上、周りの人たちからも決して良くは思われていないという話を耳にします。

 

他にも、コンサルティングファームはPLの建て直しを中心としたプロジェクトが多いため、BSやCFを理解した上で、ビジネス戦略を立てるのが比較的苦手という傾向もあります。

 

最後に

今回紹介した通り、外資コンサルは確かに成長スピードははやいですが、伸ばしにくいスキルがあるのも確かです。

 

一方で、今回はスキルにフォーカスしたため、割愛しましたが、コンサルティングファームに転職することで、幅広い業界の高いポジションの方々との人脈を作りやすいというようなメリットもございます。

 

ですので、ご自身の中期的なキャリア設計を踏まえた上で、コンサルタントでの経験が役に立ちそうかどうかを判断して転職活動を行っていただくことが宜しいかと思います。