未経験で外資ファームに転職した私が語る「未経験でコンサルティング業界に転職する方法」

 

コンサル業界といえば、「世界各国を飛び回る」「大手企業のCEOへのプレゼン」「高額な給料」などのイメージで、多くの方が憧れを抱く業界だと思います。一方で、業界未経験の方にとっては、自分などが入社できるのかという不安抱きやすい業界でもあると思います。

実際、私もコンサルティング業界に転職しようと思った時はそうでした。

 

それでも、あまり名前の知られていない広告関連の会社に入社して4年目の私は、未経験での転職に向けて、たくさんの方にヒアリングをし、なんとか転職に成功することができました。

また、コンサルティング業界に入った後に実際に採用にも関わる中で、わかってきたことがあるので、ここではお伝えしていきたいと思います。

 

未経験でコンサル業界に入るのは珍しくない

 

「コンサル業界への転職成功者を見た場合に、どの程度の割合が未経験者だと思われますか?」

中途採用での入社者を見た場合、実は7~8割程度の方は、コンサルティング業界とは全く関係のない事業会社からの入社というのが答えです。

私が入社した際は、同期は「電通」「住友商事」「みずほ銀行」などの名だたる大手企業の方々と、ベンチャー企業でご活躍されていらっしゃった方でしたが、全員コンサルティング業界は未経験でした。

 

コンサル業界はかなり有名になってきつつあるとはいえますが、実際にこの業界で働かれた経験のあられる方はそこまで多くありません。

特に、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、ATカーニーなどの外資系戦略コンサルティングファームに関しては、全てあわせても数千人程度にとどまります。これは、東証1部上場企業の従業員数の1%にも満たない水準です。

 

一方で、コンサル業界自体は、順調に成長しており、働いている人員は増え続けている状況です。

コンサルティングファームは労働集約型のビジネスになってしまうため、より多くのクライアントにサービスを届けるためには、必然的に人員拡大が必要になるのです。

 

そのため、多くのコンサルティングファームで、クライアントからの受注はくるものの、人員不足でプロジェクトを開始できない状況というのがここ数年続いており、未経験者であっても、コンサルティングファームで活躍できる「素質」が高いと思われる人材については積極的に採用を進めている状況です。

 

どうすればコンサル業界に入られるのか?

 

それでは、コンサル業界に入るためには、どのような「素質」が求められるのでしょうか?

それは、コンサルティングファームで活躍するコンサルタントが持つ資質とも言い換えることができます。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 身の回りにあふれる課題を自ら発見できる(=課題発見力)
  • それらの課題に対して自分なりの考えを論拠だって説明できる(=論理的思考力)
  • 他人との議論を通して、自分の考えを進化することができる(=対話力)
  • 課題解決に向けて、ありとあらゆる手段を用いて推進することができる(=実行力)

 

これら4つの資質を持っているか、今後更に伸ばしていくことができるかという視点で、面接官はあなたのことを見ていると思ってください。「きれいなプレゼンテーション資料を作る能力」や「エクセルを使いこなす能力」は優先事項としては求められていないということも覚えておいてください。

 

これら4つは、どのような業界のビジネスパーソンでも共通的に求められる資質だと思います。だからこそ、コンサル未経験者であっても転職を成功させることができるともいえます。

 

また、これらの「素質」は、先天的な資質は勿論ありますが、後天的に身につけることができる内容でもあります。具体的にどのように高められるのかを、私の過去の経験も踏まえてご紹介していきたいと思います。

 

コンサル転職にあたって私がやった取り組み

①1週間に1つは疑問を探す

課題を探すというのは、多くの方にとって意外と難しいことです。
別の言い方をすると、身の回りのことについて、当たり前だと思い込んでいることがたくさんあるということでもあります。当たり前と思うと、本来は煩わしい、無駄なことも自然に行うようになってしまいます。
「この資料はなぜ必要なのか」「どうしてこの作業をしないといけないのか」「なぜこのサービスはここでしか受けられないのか」「なぜこの人はこんな対応をしてしまったのか」などを考えることで、自ら課題を設定できる力を磨いてみましょう。

 

②全体像を捉える

コンサルタントの論理的思考の中でも特に大切なのは「全体像」です。というのも、コンサルタントは、クライアントとの議論の中で解決策を提示していくため、最初にクライアントと全体像が一致していなければ、その後の議論が全くかみ合わないということが頻発してしまうからです。
例えば、先ほどの「資料はなぜ必要か」という疑問に対して、「目的は何か?」「目的達成のために全体で何をしているのか?」「その中での資料の位置づけは?」というように全体像をつねに持ちながら考える癖をつけましょう。

 

③フィードバックを受ける機会を増やす

フィードバックを受ける機会は、多いに越したことはありません。フィードバックがアイデアを進化させることがあるということもありますが、「そういった考え方」「そういった捉えられ方」をするのだということを知ることにも意味があります。
具体的には、友人などに話してみるでも良いですし、ブログなど通してコメントを貰うのも良いでしょう。もし、テーマなどによって、上記が難しい場合は、自らが反対の立場に立った際に、どのような反論ができるのかということをロールプレイするようにしてみてください。

 

④興味のあるテーマについてはまずアクション

興味のあるテーマや疑問を持ったことについては、積極的にアクションに移すようにしましょう。迷う時間はもったいないです。ネットで調べる、書籍を買う、知り合いに聞く、セミナーに参加する。行動を起こすと、答えがわかるだけでなく、新しい疑問も次々と沸いてくると思います。

 

これからコンサルティング業界への転職を考えていらっしゃる皆様に伝えたいこと

 

コンサル業界への転職は決して簡単ではないと思います。

しかしながら、自分の経験、その後の採用に携わる中で、転職に成功しやすい人と、成功しにくい人の圧倒的な差として、準備の重要性は強く感じています。

 

100%の転職成功はありえませんが、今よりも転職に成功する確率を高める、更には転職後にコンサルタントとして活躍する確率を高めることは可能です。付け加えれば、そのことは今後のビジネスパーソンとしてのあなたの活躍にも大きくプラスの影響を与えることになると思います。

 

皆さんの転職の参考になるよう、これからも記事を書いていきたいと思います。