業界未経験だった私は、初めての転職ということもあり、外資コンサルへの転職活動では、色々と不安に思うこともありました。
今回は、転職活動において私の実体験をもとに、時系列に沿って抑えるべきポイントをご紹介していきたいと思います。
そもそも転職に向けて何をすればよいのか?
最初の躓きは、転職活動を調べるときに何をすべきなのかという全体が分からなかったことです。私自身の経験も含めて、どういった取り組みをしたかをまずは最初にご紹介します。
- STEP.1転職サイト登録
- STEP.2転職エージェントに登録
- STEP.3転職候補をリストアップ
- STEP.4応募書類を作成・添削
- STEP.5筆記試験対策
- STEP.6面接対策
- STEP.7面接・転職手続き
私の場合は、仕事を続けながらの転職であったため、全体で8ヶ月ほどの期間を使って転職活動を行っていました。すでに前職を辞めていらっしゃる方の場合は、4ヶ月ほどでも転職活動は完了すると思います。
①転職サイトに登録(1週間)
私の場合は、外資コンサルを受けることは決めていたのですが、以下の2つの可能性も探っておきたいため、2つの転職サイトに登録することにしました。
- 1.外資コンサルの企業情報をより深く理解するため
- 2.外資コンサル以外に自分にあった有望企業がないかを確認するため
実際登録してみて思ったのは、1の外資コンサルの情報をより深く理解するために、転職サイトが意外と活用できたということでした。
というのも、例えばビズリーチに無料登録していると、定期的に「おすすめ求人案内」というものが届くのですが、その中で各企業ごとに、「仕事内容」や「応募資格」が細かく記載されているため、具体的なイメージを沸かすための役に立つのです。
例えば、あるコンサルティングファームからの仕事内容として頂いたものに以下のような内容がありました。
- デジタルトランスフォーメーションの全体戦略の策定
- カスタマージャーニーなど顧客視点でのマーケティングプロセス設計
- 戦略具現化のための施策やプラットフォームのグランドデザイン
- 施策実行やプラットフォーム構築のプロジェクトマネジメント
- 戦略に即した各種KPI設計、それに基づくPDCAマネジメント
このように各社の具体的な内容がわかるため、ホームページで理解した内容にプラスして確認することで、面接の際にもより適切な質疑応答ができるようになります。
②転職エージェントに登録(1週間)
転職エージェントへの登録は、このあと紹介する、「転職候補のリストアップ」、「応募書類の添削」、「面接の事務手続き」、において特に役立ちました。
私は、たまたま検索で見つけた1社の転職エージェントに最初から最後までお世話になりましたが、後から振り返ると最初のタイミングでは、複数の転職エージェントに登録しておいても良かったかとも思っています。
というのも、私の場合は、担当者の方が非常に優秀で、転職活動の要所要所で適切なサポートを頂けたのですが、中には事務的なサポートに終始する担当者もいらっしゃると、他のコンサルタントから聞いたからです。
転職希望企業に応募した後に転職エージェントを切り替えることは難しいので、最初のタイミングで複数のエージェントに声をかけ、初期相談での対応を見て、1つに絞り込むのも転職活動の時間が許せば、試してみるのも良いかと思います。
③転職候補をリストアップ(2週間)
転職エージェントの方と最初に私が相談したのは、転職候補先のピックアップです。
転職エージェントの担当者から、各コンサルティングファームの特徴や年収、違いについてお話を伺いながら、転職候補先を選定します。
私の場合は、前職に勤務中ということであまり時間が使えなかったこともあり、最初は志望度合いの高い外資コンサル3社に絞って転職活動を実施しました。
一度に5~10社ほどを平行して受ける方もおられますが、各企業の特徴を理解したり、それぞれの企業にあった志望動機や面接対策をすると、時間がとられてしまうので、いつまでに転職を完了しなければならないという期限がない場合は、お勧めしません。
また、関連して頂く質問として、「ある企業から合格通知を貰った場合に、他の企業の採用結果をどの位待つことができるのか?」というものがあります。
コンサルティングファームごとに多少の違いがありますが、数ヶ月であれば、どのファームも問題なく待ってくれますので安心してください。
人材が不足している現状において、コンサルティングファームの厳しい面接を潜り抜けた方をやすやすと手放すファームはほとんどおりません。
④応募書類を作成・添削(1ヶ月)
応募書類は、主に履歴書、志望動機書、職務経歴書などの準備です。
ここは転職エージェントを活用する一番大きなポイントの一つです。文章は自分ひとりで書いてしまうと、どうしても客観性が薄れてしまうことがありますので、是非プロからのアドバイスを貰うようにしましょう。
また、志望動機や職務履歴については、全ての会社に同じものを送るのではなく、コンサルティングファームの特徴も踏まえた上で、強調するポイントを工夫するなどの取り組みをしてみることもお勧めです。
⑤筆記試験対策(2週間)
筆記試験対策は、コンサルティングファームによって有無がありますが、基本は新卒採用時にもおそらく利用されたSPI対策の本を1冊購入して、準備に備えておくことが大切です。とにかくコンサルティングファームの筆記試験では、時間が足りなくなることが通常ですので、焦ることなく、ただ効率よく説き進めることが大切です。
また、一部のファームでは論述試験を筆記試験として課しているところもございます。
こちらの対策については、前述した応募書類対策とも関連しますが、理由や具体例を明示した、論理的につながりがある文章を常日頃から書くトレーニングを積み重ねておくことが大切です。
⑥面接対策(1.5ヶ月)
コンサルティングファームの面接対策には大きく二種類が必要です。
(1.ケース面接対策)
一つ目は、ケース面接といわれるもので、決まったテーマについて、あなたがコンサルタントの立場で、課題に対する解決策を提示するタイプの面接です。
時間としては1回の面接のうち、30分~1時間ほどで行われることが多く、問題の形式はファームによっても、担当者によってもバラバラです。
書店にいけば、ケースディスカッションに特化した対策本が数多く販売しているので、まずは一冊購入しておくことをお勧めします。何を購入するか悩まれていらっしゃる方には、オーソドックスな問題が並び、解説も分かりやすい「外資系コンサルの面接試験問題 過去問で鍛える地頭力」を、是非一読下さい。
ここで大切なのは、書籍の使い方です。
- まずは、問題を読み、自分で考え、解説を読んでください。
- 次に、解説を元に、自分が面接官だとした際に、追加でどのような質問ができるか、それに対してどの様に回答できるかを考えてください。
- 更に、同様の考え方で他にも自分自身で問題を作成し、説く訓練を繰り返して下さい
この流れを繰り返すことで、頭の使い方が鍛えられていきます。
多くの方が、過去問を読んで、その解き方を覚えて満足してしまう傾向にあるのですが、それでは、仮に同様の問題が出題されたとしても、面接の突破は難しいです。
コンサルタントが見ているのは、頭の使い方であり、その問題の回答ではないということを是非覚えておいてください。
(2.通常面接)
もう一つの面接は通常面接で、志望動機や前職での経験を問われる面接です。
時間としては1回の面接のうち、10分~30分ほどで行われることが多いです。
コンサルティングファーム以外の転職でも共通的に求められる質問内容ではありますが、こちらも質問の答え自体に加えて、回答のロジックやコミュニケーションのスタイルに対してコンサルタントは注目しています。
具体的な経験や、納得感のある理由を含みつつ、できるだけ簡潔に、かつ気持ちのこもった回答ができるように練習を繰り返してください。
ケース面接に対する準備にばかり時間を割き、通常面接の対策が全くできていない候補者も多いので、他の候補者との差別化を生みやすいパートでもあります。
⑦面接・転職手続き(4ヶ月)
最後は面接の本番と、その後の転職手続きです。
私の場合は、面接は毎月1回のペースで受けていました。
ここはもし面接を急いでいるのであれば、転職エージェントの方に相談すれば、2週間に1回のペースや、場合によっては1日に2つ面接をまとめて受けるなどの対応をしていただくことも可能なので、遠慮せずに聞いてみてください。
こういった相談を気兼ねなくできるところも、転職エージェントを活用するメリットの1つです。
無事全ての面接(3~4回程度)を通過すると、採用通知が届きます。
その後、具体的な入社時期を相談し、事務手続きは、基本的に転職エージェントの担当者から書類の提出などを求められるものを用意していけばスムーズに進められるようになっています。
分からないことがあれば聞くのが一番
最後に、転職活動中に、私が転職エージェントの方とやり取りしたメールの回数をあらためて確認したところ、30通を超える数になっていました。
今回紹介した、志望動機や面接対策に加えて、コンサルタントに質問すべき内容や、コンサルティングファームごとのカルチャーについてなど、気になったことは出来るだけ確認するようにしていました。
結果として、それらを理解していることが面接本番でも、安心感や自信を持つことに繋がったことは間違いありません。
転職エージェントにとっても、あなたが外資コンサルに転職成功させることは望むべきことであるということを理解した上で、遠慮なく色々聞いてみてフル活用することがベストな戦術です。