戦略ファームの人間が語るコンサルティングファームで働くデメリット

 

コンサルへの転職を考えていらっしゃる方の中には、漠然と

  • なんとなく成長できる気がする
  • 今の会社よりも高い給料が貰えそう
  • 海外での仕事が多そうでかっこいい
  • (男性の場合)コンサルといえば合コンでモテそう

などというメリットから検討をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

これらは全くもって否定することではありませんが、コンサルティングファームで働くことのデメリット(大変さ)を理解して頂いた上で、転職を考えることをお勧めしたく思います。

 

コンサルティングファームに入社する5つのデメリット(大変さ)

①大切な予定のドタキャンをしなければならないことがある

 

コンサルタントは最も高級なサービス業の一つです。そのため、クライアントからの要望によっては、急に追加の仕事をこなさなければならないこともありえます。


最近は、コンサルティングファーム各社で働き方の改革を推進し、トータルでの労働時間を削減する方向には進みつつあるものの、急なクライアントへの対応はなかなか避けにくいのも現状です。


次善策として、クライアントからの急な要望が発生しそうなタイミングをできるだけ把握し、その場合は大切な予定はいれないということはするのですが、それでも1年に数度は大切な予定をキャンセルせざるを得ないことが発生しえます。

 

②給料が高くなるが故に、その後生活レベルを落とすことに苦慮し、転職ができない

 

コンサルタントは確かに給与水準が高いです。昇進してポジションが上がるほどに、その傾向は大きくなります。このこと自体は良いのですが、給料が上がるに応じて生活水準も上げてしまうと、なかなか元に戻ることができません。


そうした中で、コンサルタントから次のキャリアへ変更を考えた際に、同水準の給料を保証してくれる職業はなかなか見つからないという落とし穴にはまるコンサルタントは意外と多くいます。


人間は不思議なもので、一度転職を考え出してしまうと、それまで満足していた仕事に対してもいろいろ不満が溜まる傾向があるようです。結果、前にも後ろにも進めないという事態に陥ってしまうリスクが存在します。

 

③常に成長が求められることに対するプレッシャー

 

コンサルタントは、昇進するごとに新しいスキルが求められる仕事です。若いうちは、分析やリサーチのスキルが求められますが、マネージャーになると、プロジェクトマネジメントやファシリテーションのスキルが求められ、シニアになればセールスのスキルまで求められます。

しかも、それらのスキルは並大抵のものではなく、事業会社で求められるレベルを上回る必要があります。このように、新しい課題が常にあることで成長ができるのですが、そのことに対して必要となる努力の量や精神的なプレッシャーに対しては相当な覚悟を持っておく必要があります。

 

④周りが優秀なため、常にインプット(捉え方によっては否定)を受ける

 

コンサルティングファームに入社する社員は非常に優秀な方ばかりです。アクセンチュアなどのIT系&戦略系のファームは勿論ですが、マッキンゼーやボスコンなどの戦略系外資コンサルファームにおいては、絶対に敵わないと思える人材が多くいらっしゃると伺います。

優秀な同僚や上司と働けることは、刺激的で成長の機会も多いというメリットがある反面、自分では会心のできの資料についても、いつもインプットを貰ってしまいます。インプットというと聞こえはいいですが、捉え方によっては否定とも感じられますので、積み重なっていくと精神的につらい気持ちになってしまうこともあります。コンサルタントとして活躍される方は、それらを割り切れる、もしくは無関心でいられる強いタフネスが必要ともいえます。

 

⑤(男性の場合)論理的に考える癖がみにつき、女性とうまくいかなくなる

 

コンサルタントの武器の一つは論理的思考力です。もともと論理的な方が多いですが、仕事をこなす中でその力にますます磨きがかかります。そうすると普段の生活においても、論理的に考えなければ気がすまないようになり、彼女や妻との会話においても論理的に整理してしまいがちになる方がいらっしゃります。


単に話を聞いてもらいたいだけの相手に対して整理してしまったら結果がどうなるかは分かりきってはいるのですが、そのあたりをコンサルタントとして優秀な人材が分からない(もしくは対処できない)のは何故なのでしょうか。

 

魅力もあるので、デメリットを踏まえた上で検討をしてほしい

今回、デメリットをお伝えすることで、皆さんにコンサルティングファームへの転職をやめてほしいという意図はありません。

 

そうではなく、デメリットを知ることで、メリットについてもこれまで以上に深く考えることができ、その結果適切な判断ができると思ったからです。

また、結果としてコンサルティングファームが合わないかたもいらっしゃるかと思いますが、そのような方は別の業界を目指すことが幸せな選択肢なのだと思います。

 

これらのデメリット(大変さ)を踏まえて、ご自身でコンサルティングファームへの転職を悩まれる場合は、エージェントなどの通じてご相談してみることもお勧めです。

過去に転職に成功した方、失敗した方と比較する中で、適切なアドバイスをもらえるかもしれません。