コンサル面接の最後にはほぼ100%の確率で「何かご質問はございますか」といった逆質問の機会があります。候補者によって質問内容は三者三様ですが、中には「特にありません」といってせっかくの機会を無駄にしている方もおります。
今回は、コンサル面接の逆質問について、面接における意味合いの解説に加えて、良い逆質問、悪い逆質問の例をいくつか紹介してみたいと思います。
面接における逆質問の意味合い
コンサル面接において、逆質問が持つ意味合いは大きく2つあります。
- ①最後のアピールポイント、自分の本気度を伝える貴重な機会
- ②自分が抱えている不安を解消、転職後のミスマッチを回避する相互理解のチャンス
これら2つの逆質問の意味合いは、面接の状況を踏まえてうまく使い分けることが大切です。
1つ目の「自分の本気度を伝える逆質問」は、面接の内容があまり芳しくなく、もしかしたら不採用かもしれないと思った場合に特に活用することが大切です。
面接官の視点から見た際に、ケース面接や通常の質疑応答でも、良い印象をもてなかった上に、最後の質疑応答でも熱意を全く感じれなかったとなると、あなたを採用しようと思う理由は全くなくなってしまいます。
一方で、2つ目の「転職後のミスマッチを回避する逆質問」は、本気度が高い転職先の場合は、出来るだけ最終に近い面接でヒアリングすることがお勧めです。
どのファームも面接においては、最初に出てくる面接官ほど経歴が浅くなることが一般的です。そのため、面接の判定基準が緩くなりがちであり、質疑応答の際に、面接官がネガティブな印象を受けてしまう内容を発しただけで、前半の面接結果がぎりぎりの水準だった場合、落とされてしまうリスクが高まります。
逆に、面接の後ろの過程になればなるほど、他の方が面接官が通過させたという安心感に加えて、能力自体を見極める力が高まるので、本音で不安を質問したというだけで、落とされてしまうというリスクはかなり減少します。逆に、それでも落とされてしまう場合は、あなたが不安に思っているポイントが、その会社のカルチャーと相容れないということでもあります。
良い逆質問の例
良い逆質問というのは、先ほど挙げた二つの意味合いを踏まえていることが大切です。
①自分が真剣にコンサルへの転職を考えていることを面接官に伝えることが出来る
例えば、「コンサルティングファームに入った後に活躍できる人材になるように、普段から○○などの取り組みを自分なりにやっているのですが、Aさんの目から見て、コンサルタントの習慣としてやっておくべきアドバイスなどは頂けないでしょうか」
②なぜそのような不安を持っているのかの理由が面接官に伝わる質問
例えば、「私は、出来たらコンサルタントとして中長期的に活躍していきたいと考えているのですが、一方で子供も2~3人は欲しいと考えています。産休制度があることは伺ったのですが、それ以外に、子育てと仕事を両立するために、会社やチームとして何か取り組みがあれば教えていただけますでしょうか。」
避けたほうが良い逆質問
逆質問の機会といっても、何でも疑問に思ったことを聞けばよいというわけではありません。面接官として心象が必ずしも良くない質問のタイプをいくつか紹介していきます。
調べたら分かる質問
例えば、「現在、コンサルタントは何名ほどいらっしゃるのですか?」
細かすぎる質問
例えば、「コンサルティングファームとして知見を蓄積するために、具体的にどのような取り組みをしているのですか?」
何のために聞いているのか理由が分かりにくい質問
例えば、「Aさんは何故この会社を選んだのですか?」
相手の立場を意識せずにする質問
例えば、「御社が抱えている課題は何ですか?」
表層的に調べてきたことをアピールしようとする質問
例えば、「ホームページで御社の社風として○○というようなことが書いてあったのですが、具体的にどのようなことをしているのですか?」
勿論、これらの質問も何故あなたが聞きたいのかという理由をしっかりと述べさえすれば、良い質問に変わります。
大切なのは、あなたがコンサルタントになる上で、「伝えたいこと」「知っておかなければいけないこと」が何なのかということを真剣に考えておくことです。
逆質問は最低3個ほどは用意して紙に書いておく
一次面接に望む前には、必ず3個ほどの逆質問のリストを用意するようにしましょう。
また、余力があれば、転職エージェントなどに、それらの逆質問を見てもらい適切な質問になっているかアドバイスを貰っておくのが良いと思います。
また、面接当日は緊張や手前にあるケースディスカッションに集中しすぎることで、逆質問を忘れてしまうということもありえます。そのため、逆質問を書いたノートや手帳を手元においておくようにすると良いと思います。
何も見ずに質問ができればベストですが、事前にしっかり準備して質問を用意している候補者の方が、忘れて適当な質問をされる候補者よりも評価は高くなります。